Around the Corner -52ページ目

「ノストラダムスの大予言」 舛田利雄

「本陣殺人事件」 横溝正史

「ミツバチのささやき」 ビクトル・エリセ

どこまでも続く原っぱ。1本だけの線路。少女。


むかし、この映画のシーンを編集して、ライブハウスで流した。ステージの横にモニターを並べて、ある曲を演奏しているあいだ、ずっと流していた。


アナ・トレント。
それに尽きる。


観たのは87年ぐらいだから、その当時でも少し前の映画だった。スペイン映画。原題は英語表記で「Spirit Of The Beehive」。ミツバチの巣箱にある精霊。それでいいのかな。おそらくこのミツバチの巣箱はアナとイザベルのことだろうか。全編を通して描かれているのは「死」だ。フランケンシュタイン、きのこ、列車、モンスター(兵士)・・・。


映像はその瞬間を切り取る。瞬間とは写真のような一瞬ではなく、もっと大きなスパンでの一瞬。で、残酷なぐらい、その瞬間は残る。


アナ・トレント。
とにかく、それに尽きる。

あのまっすぐな瞳。あれをイノセントというのだろう。


なぜ、その昔、この映像を選んだのか。それはその曲がただのラブソングではなく、もっと大きな愛、そう、慈愛のようなものを表現していたから。計算のない無垢な愛。それがこの映画から感じられたから。

アナ・トレントの表情はあまりにも無防備だ。
そんな無防備な瞬間を切り取ったビクトル・エリセに拍手。


タイトル: ミツバチのささやき


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演奏+映像。そんなライブをしたのは3回ぐらいだったかな。記憶は曖昧。みんな、元気かな。。。。
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「ミツバチのささやき」。この映画って日本で上映されたのは85年からなんだよね。いわゆるミニシアター系のロングラン。「エル・スール」は観たけど「マルメロの陽光」は観てない。それよりもジム・ジャームッシュやチェン・カイコーなども入ってるオムニバス映画の方が面白そうだな。「10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス」。監督がすごいメンツ。

つくる、ヒト

今月中に90枚ぐらいの短編。
そのつもり。
ひさびさなんで感覚が今ひとつ。
これって理屈の世界じゃないんだよね。


MacでもWindowsでも使ってるエディタはiText。
必要以上によけいな機能がついてないところがいい。何よりも軽いしね。
IMはATOK。これもMac、Windows共通。
道具はできるだけシンプルな方が邪魔にならない。
横書きで打ち込んでる。縦書きにこだわりはない。そもそも始まりがふつうのノートだったし、違和感はない。原稿用紙の方がイヤかもしれないな。


つくり方は「創作」というより「造型」の方に近い。
大まかな輪郭を定めて、骨格をつくり、それに肉付けしていく。
常に全体のバランスが気になるせいかな。
よく分からない。
今のところ、こんなふうにしか物語のようなものをつくることができない。

立ち止まっては、もっと適した言葉がないか、言い回しがないか、思考をぐるぐる回してみる。
頭のなかのもやもやとしたものを文章として形あるモノにすることだけを考えてる。
ときどきつかみそこなって深いところに落としてしまうこともあるけれど、ホントにいい感じだと思ったら、底まで取りにいく。
もちろんそれがゴミだってこともある。ただ、ゴミかそうでないかの基準も実は自分のなかにあるものなので、ホントにゴミかどうかよく吟味して、要らなければ捨てる。


苦しい。


過去にフェイドアウトした理由は多分それがイヤだったからだ。
楽な方に逃げた。
でも、鳴くんだ、細胞のなかの何ものかが。
以前よりは小さくなったような気がするけれど、やっぱり鳴いてるんだ、ずっと奥の方で。


少しずつ指が動くようになった感じ。
もっと動かないと思ったけれど、意外にやれる。
進行状況は半分ぐらい。
今月中に90枚ぐらいの短編。
それだけは無理してでも・・・と自分へのノルマだね。

「Ziggy Stardust ・・・」 David Bowie