Around the Corner -54ページ目

日日

ある日のこと。
最高気温29度、蒸し暑い一日。
外食した。チヂミをたべる。

ここまでのブログテーマ。もう少し細かく説明すると、こんな集まり。

「文学」は19歳から20歳にかけて読んだ本。
「音楽」は十代半ばによく聴いた日本のアルバム。
「映画」は男の子映画。
「漫画」はどちらかというと少年&青年誌に連載していたもの。

それぞれ3つずつ。計12こ。
自分なりの集め方で思いつくまま並べてみた。

順序に優劣はない。
影響の大小はあるけれど、どれもが、ただ今の自分を形成するに必要不可欠なものだ。

これからの予定。

「文学」はSF、ホラー、ファンタジー、など。
「音楽」はグラム、歌姫、民族音楽、など。
「映画」は日本の映画、など。
「漫画」は少女漫画、など。
テーマが増えることはないと思う。

カテゴリーというのは難しい。あると便利だけど、それによって制限されてしまう弊害も多い。使いたくない言葉もけっこうある。洋楽、邦楽なんてぜったい使わない。上の少女漫画という言葉も、ものすごく悩んでから、使った。漫画に少年や少女の壁なんてないんだから。漫画は漫画。

使いたくない言葉は使わない。似合わない言葉も使わない。
直接的な形容詞などは使わない。より具体的に説明する。ただ説明できないときは、その限りではない。
それにプラス。
よけいな説明はつけない。「サクラ」を知らない人に「サクラ」を説明するような表現はしない。分からなければ自分で「サクラ」を見に行ってもらえばいい。それがイヤな人がいれば、それはそれ。

誤解しないで。これは文章を書くという行為全般に言えることじゃない。あくまでこのブログを書いてるときの自分のポジション。ギアの位置。そう、ニュートラルな感じで、ということ。例えば小説をつくるなら、読む人を想定して言葉や文章をえらぶ。相手に感じ取れない文章を書いても意味がないからね。

これは「信仰の告白」もどき。
自分をつくってる「素」みたいなものを順に、これだよ、これだよってノートに貼り付けてる感覚だね。

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ただ純粋にあこがれる。この記事の元ネタは。。。。。
著者: 武田 百合子
タイトル: 日日雑記
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まるで遺書みたい。

「まことちゃん」 楳図かずお

聖秀幼稚園、うめ組、沢田まこと。今でもこれ、「ぱっ」と言えたりする。76年から81年まで少年サンデーで連載。少年期に多大な影響を受けてしまった。おそらく細胞まで染みこんでるんじゃないのかな。


著者: 楳図 かずお
タイトル: まことちゃん (3)

example.1
シングルレコード持ってた。手元の資料によると77年に出されたらしい。「まことちゃん/ビチグソロック」。引越のときに処分。保存が悪くEPが波打ってた。残念。
example.2
まことちゃんの人形持ってる。これ、今もある。幼稚園の制服着てるやつで、足の裏に「あんそにい」って書いてある。身長30センチぐらい。当時ではなく、保育園のバザーかなんかで手に入れた。
example.3
「別冊宝島 楳図かずお大研究」、「ウメカニズム」、「文藝別冊 楳図かずお」、「ユリイカ(特集 楳図かずお)」はもちろん買ってる。
example.4
楳図かずおが連載するからというだけで月刊「ハロウィン」を創刊から増刊も含めてしばらくの間、買っていた。
example.5
Furutaの食玩。20世紀漫画家コレクション8、集めそうになる自分にセーブをかけた。今となっては「タマミ」ちゃんぐらいは欲しいかな。
example.6
オフィシャルサイトに出てる「おろちTシャツ」、もうクリック寸前。たぶん自分の欲望をおさえきれないと思う。
example.7
昨年(04年)発売したこれ、当然、クリック。。。。。?


アーティスト: 楳図かずお
タイトル: グワシ!!まことちゃん楳図かずおワールド

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「わたしは真悟」。漫画史上に残る名作。これほど最初から最後まで緊張感に満ちた漫画を知らない。あとは「洗礼」「おろち」そして「赤ん坊少女」・・・。キリがないな。ただ「漂流教室」は・・・・。読んだ後のやりきれないって思いがイヤで・・・・。
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楳図かずおのオフィシャルサイト
http://umezz.com/

「風呂上がりの夜空に」 小林じんこ

「僕が猫だった頃」 さそうあきら

手元にある本は87年9月17日第1刷発行となってる。さそうあきらのはじめての本。短編集。全部で11話入ってる。
さそうあきら。代表作といえばやっぱり「神童」あたりになるのかな。なんか賞もとったしね。今連載中の「コドモのコドモ」もなかなかいいと思う。


当時、バカみたいに雑誌読んでた。マンガはもちろん音楽誌や情報誌、文芸誌なんかをそれこそがぶ飲みしてた。数えたことなかったけどおそらく月にして50冊は軽く超えたんじゃないかな。ほとんど立ち読みだけどね。
そんななかで、さそうあきらがアンテナに引っかかった。おそらくこの短編集のどれかを読んだんだろうけど、どれかは覚えていない。もしかすると複数かもしれない。


この短編集の大半を占めるのは「浮遊感」だ。ものすごく心地よい感じ。季節は春から夏にかけてが多い。印象的なのは3話目の「雲の上は1000mb」。女の子が主人公。高2。窓際の席で外をぼうっと眺めてる内に意識が雲の上に飛んでいくっていうシーンが出てくる。


経験ない?


退屈な授業で、前で喋ってる教師の声がだんだんと小さく感じられて、「いい天気だな・・・」とか「よく雨ふるな・・・」とか誰が思ってるのか分からない内側の声が聞こえてきて、ふわっとした気分になったこと。何も考えずぼんやりと。ぼんやりと。


猫になることだったり、駄菓子屋の呆けたおじいさんだったり、桜吹雪の下だったり、海に仰向けに浮かぶことだったり、聖なるガンジス川に流れる時間だったり。この本のそこら中に「浮遊感」が漂ってる。


この「浮遊感」。かなり非生産的だし、進歩とは正反対の世界だけど、捨てがたい魅力にあふれてる。あくせくした毎日じゃ、無意味なことかもしれないけどね。それに毛嫌いされてる風潮もある。楽な方に逃げるんじゃないよ、とかね。おそらく、ふつうの社会では御法度だもん、特にごちゃごちゃと小さい日本じゃ。
大切な感覚だと思うんだけどな。ものすごく大切な時間だと思うんだけどな。


最近、ぼうっとしてる?


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「僕が猫だった頃」。これ、絶版。というか初期のものはほぼ全滅。復刊が期待できるとしたら漫画文庫系しかないだろうね。他の作品についてはここを参考に。
さそうあきらのホームページ
http://saso.web.infoseek.co.jp/
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最近、ぼうっとしてない。。。。
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「OFF」。少し前まで「OFF」っていう時間を大切にしてたんだけどな。この「OFF」はお休みのことではなく、スイッチの「ON」と「OFF」の「OFF」のこと。日常生活してるときはたいてい「ON」。特に仕事中なんかはぜったい「ON」。理想としては、がんばって「OFF」ではなく、自然に「OFF」なんだけどね。なかなか難しい。
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上の題名、時代性を感じさせる。こういうのはそのままにしておいて欲しいね。雲の上は1000hPaっていうのものね・・・・。

「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」 ラッセ・ハルストレム

85年、スウェーデン映画。原題は「My Life as a Dog」。そのままだね。「犬のようなぼくの人生」でいいのかな。この犬を指してるのは57年に旧ソ連が打ち上げた人工衛星「スプートニク2号」にのせられた犬のこと。映画の舞台は58年から59年にかけてだから、結構リアルな最近の事件だったんだろうね。日本で公開されたのは88年あたり。たぶん見たのは89年の始め頃なのかな。映画館で見た。気に入ったので原作の単行本まで買った。長らく絶版だったけど最近、文庫本が出た。当然、買った。


著者: レイダル イェンソン, Reidar J¨onsson, 木村 由利子
タイトル: マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ


降る雪に、催眠術をかけられた。
まぶたがどんどん、どんどん重くなるのを、必死にこらえる。もし眠りこんで降りるはずの駅を乗りすごしてしまったら、降りまちがえてぼくを引き裂こうとオオカミどもが待ちかまえる、白く凍りついたツンドラに迷いこんでしまったら・・・・・、ぼくの生命は風前の灯だ。
(「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」レイダル イェンソン  翻訳:木村 由利子 より)


映画はとても好きだしイングマルとサガも含めて出演してるすべての役者さんが素敵に思えるんだけど、実はいちばん好きなのはこの小説の冒頭かもしれない。
イングマルがひとりぼっちで乗ってる冬の電車。


どうも見たのが同時期だったせいか、この映画と「ニュー・シネマ・パラダイス」を比較してしまう。この「ニュー・シネマ・パラダイス」は短い方のバージョンね。男の子が描かれてるという点が似てるのかな。頭の中での引き出しが同じ場所なんだろうね、きっと。脳みその同じ引き出しに保管されてる。これも映画館で見た。体調があまり良くなかったせいか、実はそんなに印象に残ってない。完全版とどっちがいいなんてよく言われるけど、どちらにしてもこれ、人気高いよね。


でも、自分の中では断然「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」。圧勝だね。イングマル・ヨハンソンのKO勝ち。



タイトル: マイライフ・アズ・ア・ドッグ

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この映画、ファンクラブサイトがある。シリーズ物でなく単独の映画であるのは珍しいと思う。
「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」友の会
http://members.at.infoseek.co.jp/ingemar/

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単独の映画のファンサイト。少し調べてみたら結構ある。
「ある日どこかで」(The Somewhere In Time Web Site Japan)は以前から知っていたけど、「シザーハンズ」「戦場のメリークリスマス」なんかもあった。

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スプートニクのライカ犬。1週間ほど生きたとされていたが本当は数時間程度しか生きていなかったことが最近、分かったらしい。宇宙をひとりぼっちでぐるぐる回っていたわけことには変わりはないんだけどね。ちなみにこのライカは犬の種類ではなく名前。シベリアンハスキーの雑種で捨て犬だったらしい。で、最初の名前は「ちっちゃな巻き毛ちゃん」。なんか源一郎さんの小説に出てきそうな名前だな。

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だから、
「ギルバート・グレイプ」や「サイダーハウス・ルール」のラッセ・ハルストレムって書かれるのはあまり好きじゃない。ただ、それだけ。

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どうでもいいことだけど、映画は「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」、最近出た文庫本の表記は「マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ」。少し違う。単行本(絶版)は映画と同じだったのに。

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映画と小説の大きな違い。ママに対する感情とサガとの関係。小説を読んでしまうとラストシーンの意味合いが少し違うものに見えてくる。見えてくる。見えてくる。。。。。